東京一人旅 1日目

 8月10日。

私は東京駅に降り立った。何年振りの東京だっただろう。記憶の中あるいは映像で見た東京よりもずいぶん大きく感じた。時刻は朝7:30。私は通勤で駅から出てくる人たちの流れに逆らってホームへ向かった。大きなキャリーケースを引いて辺りをキョロキョロしながら逆行してくる私はさぞかし邪魔だったに違いない。ちょっぴり申し訳なく思いつつも、平日の朝っぱらから遊びに行けることに少なからず優越感のようなものを抱いていた。

駅の中で若干迷子になったり、Hey!Say!JUMPの8連くらいある夏タビのポスターにはしゃいだりしているうちに乗ろうと思っていた電車に乗り遅れてしまったが、問題はなかった。東京はすぐに次の電車が来る。ホームに着いたら丁度口を開けていたそれに乗り込み神楽坂へと向かった。神楽坂に何があるのかほとんど知らなかったが、私には目的が3つあった。

1つ目の目的を果たすため、駅にあったマップを見ながら緑色のドアの建物を探した。そう。クリームパンが美味しいらしい「亀井堂」だ。地図を見て歩くのはそこまで苦手ではない(と思っている)のですぐに見つかった。前日の晩から何も食べていなかったから私のお腹は既にペコペコだった。東京駅で食べることももちろん出来たがここのパンを楽しみに長時間の空腹を我慢してきた。「やっと食べられる…!!」嬉しさで足取り軽くお店の正面に回ってみると…

 

「ん...???」

 

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 あれ?様子がおかしい。

あ、ドアのところに何か張ってある。近寄って見てみると、

 

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休み!!!!!

 

 

 

え。まじかよ。そんなことある?とても楽しみにしていただけあってすごく残念だった。でもこのままここに居続けても開くはずもなく、仕方なく代わりの朝食を探すべくとりあえず神楽坂商店街を歩いてみることにした。だが、私が着くのが早すぎたのか何処もまだ準備中でこれまた仕方なくようやく見つけた営業中のチェーンっぽいカフェでトーストを食べた。食べ終えてお店を出る頃ようやく多くのお店の開店時間であろう10:00になっていた。そのまま神楽坂をうろうろしていると、「フジヤ」があった。そう。ペコちゃんのほっぺが美味しいあのフジヤである。そこにはどうやらここ限定らしいペコちゃん焼なるものが売られていた。ペコちゃん焼というからにはきっと可愛いんだろうと思ったのだが、写真を見て思わず二度見してしまった。率直な感想を述べるとめちゃくちゃ怖かった。その名の通りペコちゃんが型取られた今川焼のようなものだったのだが、私にはそのペコちゃんは白目を剝いているように見えた。気になる方は是非ともチェックしてみてほしい。見た目はともかくフジヤだからきっと味は確かだと思う。

 途中雑貨屋さんに立ち寄ってみたり、五十番の肉まんを食べたり、可愛らしい外観のお店が点々とある裏道を通ってみたりしながら私は2つ目の目的地に辿り着いた。「borgo oojime(大〆ビル)」にある「THÉOBROMA」だ。どこか外国に来たような、あるいは魔女の宅急便の世界に入り込んだような気持ちにさせてくれる建物だった。ショコラトリーに行くのがちょっと夢だったのでドキドキしながらドアを開けた。ショコラトリーデビューを東京のこんなおしゃれなお店で果たすなんて超贅沢だなと思いながら私はお目当てのジェラートを注文した。

 

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おっしゃれ~!!

 

ピンクのほうは桃。日によって置いてあるジェラートは少し変わるらしい。桃のある日に来られるなんて私ってばついてる。舌触りがとっても滑らかで食べている間中ずっとお口が幸せだった。店内も外観に劣らず素敵でいろんなチョコレートが並ぶ様子はきっとチョコレート好きにはたまらないと思う。また神楽坂に来ることがあれば寄りたいな。

そしていよいよ3つ目の目的地へ。神楽坂駅からほんの数分歩いたところにある赤城神社だ。手を清めて参拝して...帰らない。今回の主目的は参拝ではなくここにある「あかぎカフェ」だからだ。なんとここ、神社なのに境内の中にカフェがある。神社にあるカフェだから和風なのかなと思いきやガラス張りの白を基調とした今時な感じのお店だった。いわゆる甘味処的な感じではない。早速注文して待っている間御社を眺めたりなんてしちゃって。 

「お待たせいたしました。」

 

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わ~!!美味しそう!!

あ、またジェラートかよって思った?!そう!なんとこれ御神酒のジェラート!夏の暑い日、御社を眺めながら御神酒をジェラートで頂く...最高。ほんのりと甘くて食後のデザートにも良さそう。食感はしゃりっとしていてどちらかというとシャーベットに近いかなと私は思った。

日本の夏を感じながら神社を後にし(日本でしか夏過ごしたことないけど)、また駅へと向かった。次に目指したのは渋谷。急にイケイケ。(後で神楽坂の次に渋谷へ行ったという話をしたら「また両極端なところに」と言われた) 渋谷へ向かったのには訳がある。見てみたかったのだ、スクランブル交差点を。加藤シゲアキさんが書く渋谷サーガの舞台の地を。見ておかなければならないと思った。平成最後の夏、まだギリギリ10代のうちに。しかし結果から言うとそこまでじっくりといろんなものを見る時間はなくて、全然満喫とまではいかなかった。渋谷は広い。

が、一番の目的であったスクランブル交差点は見られた。しかも屋上から。出来たばかりだという屋上展望台が期間限定で無料開放されていたのだ。ここまで来て見ずに帰るなんてありえなかったので、今までの人生避けに避けてきたイケイケの人たちがいる中を勇気を振り絞って進み高所恐怖症のくせに屋上へと続く階段を上った。きっとすごい光景なんだろうと期待していた。「わーー!!!!」とか「すごい...」とかそういう感じになるだろうと思っていた。けれど私の感想は想定外のものだった。「...うん。こんな感じか。」何でそんな冷めてんの自分。自分で自分の反応に驚いた。来たのが日曜日とかだったら予想通りの反応を取ったのかもしれない。でも私が見たとき私が期待していたテレビでよく見るような人と人がぶつかるギリギリをガーっと進んでいく光景ではなかったのだ。少し残念だった。でもスクランブル交差点に実際に来られて嬉しかったのでビルを出てから特に各コーナーに用事があるわけではなかったがスクランブル交差点を一周した。大人になったらこんなこと恥ずかしくて出来なくなるのかなと思いながら。

スクランブル交差点を一通り堪能した後、タワーレコードに向かった。意図的に向かったというよりかは歩いていたら大きな看板が見えたから「何だあのでっかいタワレコは...!」という感じで。入り口にはハチ公もどきがいた。(本物のハチ公は渋谷駅に降り立ってすぐ見つけたのでこれがあのハチ公か!と外国から来たらしい観光客に紛れてちゃっかり写真をパシャパシャ撮った)入って真っ先に向かったのはもちろんジャニーズコーナー。1Fは小さいコーナーしかなく、まさかこれだけじゃあないだろうと2Fへ上がってみたらやっぱり渋谷は凄かった。めっちゃコーナーが充実している。一グループ一グループの取り扱い量がすごい。PVを流すDVDプレイヤーがあちこちにあるし、ポスターも店員さんの手作りポップもいっぱい張ってある。WESTに関しては「デビュー4周年」の文字とともに全員分の団扇がずらりと壁に貼られていた。SMAPのコーナーからKing&Princeのコーナーまで全オタク対応型。手厚い。NEWSのコーナーもしっかりあった。嬉しい。プレイヤーでは美恋*1が流れていて、ジャケットが見えるようにディスプレイされているほぼ全てのCDやDVDにポップが付いていて店員さんたちの愛を感じた。こんなん買ってまうやん...  感謝。 やっぱり都会は違うな~!!こんな素晴らしいところが近くにある東京の人たちを少し羨んだけど、やっぱり遠くてよかったのかもとすぐに思い直した。だって、こんなところに通えちゃったらついうっかり買いすぎてしまいそうだから。毎月ジャニコーナーの前でお財布片手に歯ぎしりする羽目になんてなったりしたら辛い。そう、地方オタも悪くない。

そうして十分タワレコを楽しんだ後、最後にこれまた偶然通りかかったSuicaのペンギングッズの期間限定ショップに寄り、私は宿泊先へと向かった。

 

~つづく~

 

*1:脚注をつけるまでもないと思うが、2013年1月31日にリリースされた『NEWS LIVE TOUR 2012 ~美しい恋にするよ~』のこと。4人体制後初めて行われたライブの秩父宮での初日公演が収録されている。

https://www.amazon.co.jp/NEWS-LIVE-TOUR-2012-美しい恋にするよ/dp/B00AND3VW8