Fantastic Traveling 「EPCOTIA -ENCORE-」

Lお題「NEWS DOME TOUR 2018-2019 「EPCOTIA ENCORE」続・宇宙旅行記」

 

"Are you ready? 未開の惑星へ"

 

チケットは外れた。けれど、ありがたいことにご縁があって譲っていただくことが出来た。私はあの日、2018年最後の日、京セラドームにいた。

ドーム公演に入ったのは初めてだった。ドームに入ったこと自体初めてだった。開演時間が近づいていくにつれどんどん埋まっていく席を見て単純に「すごいなぁ」と思った。これだけたくさんの人がNEWSとデート*1をしにこの空間に集まっていること。みんなNEWSが好きだということ。会場中がキラキラしていた。みんなNEWSに会えるのをすごく楽しみにしている。それが言葉を交わさずとも伝わってきた。今回のライブは「EPCOTIA -ENCORE-」。2018年3月から5月まで行われたアリーナツアー「EPCOTIA」のアンコール公演だ。「EPCOTIA」は同タイトルのアルバムを引っ提げたツアーで宇宙旅行がテーマだった。私は5月5日の大阪発EPCOTIAライナー*2に乗って宇宙へ行ったのだがもう最高に楽しかった。今回のアンコール公演が発表されたとき、またあの最高な宇宙旅行に行けるのかととてもワクワクした。コンセプトがはっきりしているほうが創りやすいように思うけれど、きっと実際はそのコンセプトから外れず2時間半最初から最後までやり通すことはとても難しいことだろう。しかも今回はアンコール公演だ。NEWSがアリーナツアーと同じ構成で持ってくるとは思えない。どんな旅に、どんなデートになるのだろう。私はアリーナツアーの青色から今回金色にバージョンアップしたライトセーバー*3を握り締めながらEPCOTIAライナーでその時を待った。

 

 

モニターにこの旅のアテンダントである4人の姿が映し出され、機内では歓声が上がる。待ち望んだNEWSの登場だ。
"声あげろ EPCOTIA 今、時は来た"
増田さんの声がする。私の大好きな声だ。しかしその姿が見当たらない。私はセンステ上部にセットされたEPCOTIAライナーのあたりから降りてくるのではないかと予想し上を見上げて待っていた。アリーナツアーでセンステ上部から釣り下がって登場してきた彼らならやりかねないと思ったからだ。しかし、彼らはセンステを囲うスクリーンの向こう側(内側)にいた。やられた。スクリーンには歌詞が映し出され、中の様子はよく見えないけれど、そのシルエットだけでもうかっこいい。最高。毎回このようにどこから登場するのか予想を立てるのだが、その予想が悪い意味で裏切られたことは一度もない。毎回「はぁ、やられた。最高。もう登場の仕方だけで既に最高。」となる。私がコンサート中最も脈拍が速くなるのはここではないかとさえ思う。彼らがどこから登場するのかわからなくて、でも確かにそこにいて、会場中がソワソワドキドキしているあの瞬間。私はそのおそらく自分の脈拍が最も速くなるあの瞬間が好きだ。

 

"拝啓あの日の僕へ 今はココで立っています"
自担の、増田さんの、涙を初めて見た。
「泣き虫なんですよ 増田貴久は」こう手越さんは言った。*4これまでにも涙で詰まって歌えなくなったことはあったし、メンバーだからこそ知る彼の涙もあるだろう。でも、私はこの時初めて実際にそれを自分の目で見た。…見てしまった。時々考えてしまう。彼が背負っているものの大きさとか、彼がアイドル・増田貴久を守るために今までどれほどのものを切り捨ててきたんだろうとか。私はアイドルである彼が好きだけれど、その"好き"は彼から彼が一人の人間として享受できるべきある種の幸せを奪っていやしないか、とか。考えてもしょうがないし、どうすることもできないし、考えるだけ失礼だと分かってはいるけれど。私は増田さんがこの初めの歌割を歌うのが好きだ。
"拝啓あの日の僕へ"
こう歌う彼の瞼の裏には何が映っているんだろう。20年前の自分か15年前の自分かあるいは7年前か…全然別の"あの日"かもしれないし、それらもすべてひっくるめた"あの日"かもしれない。そんなこと彼にしか分からない。分からないけれど、届いてるといいなと思う。彼の思い浮かべる"あの日"の彼に。

 

 

アリーナツアーで私たちは惑星ケプラーを旅行した。温度や重力が比較的地球と似ているから宇宙旅行先として人気の星らしい。*5おおよそ多くの人が初めての宇宙旅行となるからそこを選んでくれたのだろうか。優しい。さて、そんなアリーナツアーと異なり今回私たちが向かったのはAnniversary星だ。いちごの形をしたその星は人類未踏らしい。惑星ケプラーが含まれる系・クリーゼ系にはAnniversary星は入っていない。すなわち、惑星クリーゼからはまた離れた別の場所にあるのだろう。いちごは8月に行われた15thアニバーサリーライブ「Strawberry」のモチーフだ。

 

 

"明日っからまた日、月、火"
初めにいつも通り小山さんの煽りでジャンプを要求される。京セラは飛んじゃダメなんだよ…!と思いつつ、みんな分かっているので各々身体を揺らしたり膝でリズムをとったりペンラを振ったりして楽しむ。小山さんの煽りが好きだ。曲を邪魔することなく、こちらをうまく参加させてくれる。簡単そうにやってのけているけれどこれは結構な技量がないとできないことだろう。リズム感とかテンポや間の取り方とか語調とか。彼のおかげで会場に一体感が生まれる。小山さんの煽りで鍛えられたNEWSファンのライブ参加力は群を抜いているのではないかと思う。あと、めっちゃ歌うし。これは他のグループのライブDVDを見て気づいたことなのだが、NEWSはファンにすごく歌わせる。あまりに自然に歌いすぎて気にも留めていなかった。曲の並びによってはずっと歌ってるんじゃないかって時もある。それくらいNEWSはファンに歌わせるのが好きだ。まぁ多分言われなくても勝手に歌っちゃうんだけど。ファンも歌うのが好きだから。こういう風に煽りに乗ったり、歌ったりしていると自分もこのライブの構成要素の一つなんだなと感じて嬉しくなる。

 

 

そしてこのあたりで惑星Festivalにワープし、着陸したらしい。興奮のあまりもはや記憶が曖昧である。早く円盤ください…

 

 

"Baby チャンチャンチャンカパーナ チャンカパーナ"
ちょうど3年だ。ちょうど3年前の「2015→2016ジャニーズカウントダウン」でチャンカパーナを歌うNEWSに私は堕ちた。もう3年かとも思うし、まだ3年なんだとも思う。それだけこの3年間でNEWSを好きにならなければ見られなかったものや味わえなかった気持ちをたくさん経験した。私がその時ジャニーズカウントダウンを見ていたのはたまたまだった。母がつけていたので、KAT-TUNファンの友人との年明けの話題にできるかなと思って一緒に何となく見ていた。ジャニーズには疎くほとんど知らない人たちばかりだったが、私は楽しく見ていた。そう、楽しく見ていたら現れたのだ。たくさんの華やかな衣装のなかでもひと際目立つビビットピンクのファーの衣装を身に纏い、"チャンカパーナ"という謎のワードを繰り返し歌う4人が。衝撃だった。見た目もそうだが、なにより歌に惹かれた。もっとこの人たちの歌を聴いてみたいと思った。後々調べてみたら歌っていたのは黒髪の美しい天使とワンナイトするっていう歌だったんだけど。彼らが歌い終わった後、母に「さっきの人たち誰?」と尋ねたのを覚えている。あの日から3年が経っていた。あの日彼らに出会ったきっかけとなった曲を、同じカウントダウンコンサートという状況で聴いていた。でも、あの日とは違う。あの日は少ししか歌っているところを見られなかったけれど、この日は単独でおよそ3時間。あの日テレビの画面に映る彼らに釘付けだった私は、今、同じ空間を、同じ時間を彼らと共有している。とても不思議な感覚でとても贅沢な気分でとても幸せだなと思った。彼らを好きになって、楽しいことばかりだったといえばきれいごとだけど、それでもやっぱり楽しいことがいっぱいあった。彼らを、NEWSを好きになれてよかった。あの日、出会ってくれてありがとう。たくさんの楽しいことを経験させてくれてありがとう。4人のことが、NEWSのことが大好きだよ。

 

"愛がなくては生きていけない"
私の初「LVE」。ここで。初聴きがライブでのバンド生演奏でってもうCD音源聴けなくなるやつ。聴くけど。この曲では4人はまた最初と同様スクリーンの内側に入る。ただし、最初とは意味合いがかなり違うように思う。最初がそこからの旅立ちだとしたら、これは抑留といったところだろうか。スクリーンに歌詞が映し出される。圧倒された。人間の"生"を生々しく感じる歌詞、閉ざされた空間で何かに抗うように激しく暴れる4人、そしてそれに見事に調和しさらにはそれらを助長しているスクリーン上の文字。全てが一体となり私に、見ている人たちに、ガツンと圧をぶつけてきた。もう一度職業を考えることが出来たなら、こういう歌詞のフォントとか細かい部分を巧みに創り観客を魅了できるような職業に就いてみたいと思った。こういうのはだれが決めているのだろう、ライブ終演後からずっと考えていた。ら、加藤さんだった。*6もちろん他のスタッフの方々と一緒に創り上げているとは思うが、加藤さん自らフォントを決めていた。完敗。加藤さんの演出の細部までこだわり抜いてくれるところが好きだ。彼はこういったフォントとか、ところどころ登場する異星人の声だとかいわゆる表では分からない部分に多く携わっていたりする。NEWSに対する愛だし、ファンに対する愛だ。

 

"ありがとう!愛してるぜ!!!!"
私も!!!!そう思わずにはいられないこの曲「Strawberry」は昨年8月頃オンラインで限定発売された「「生きろ」15thAnniversaryBox」のCDに収録されている。それぞれが歌うパートはそれぞれが作詞していて、今回はスクリーンに映し出される歌詞もそれぞれの手書きの文字だった。生で披露されたのは初めてで、見ているとなんだか愛おしさで胸がいっぱいになった。当たり前だけど、みんなそれぞれ字が違う。大きさも字体も筆圧も違うしバラバラだ。だけど誰の字もそれぞれに「らしく」て、そんなバラバラが集まってこの曲は1つの曲になる。とてもNEWSらしいと思う。4人がセンステに肩を並べて座りステージはオルゴールのように回る。NEWSの愛おしさのすべてがここに凝縮されている。

 

 

ここで時空の歪みが発生する。EPCOTIAライナー内で遊んでいた異星人たちが誤操作を起こしてしまうのだ。時空の歪みが生じた空間では各メンバーのソロ曲が披露された。その後、時空の歪みは解消され私たちは再び宇宙を旅する。しかし宇宙旅行に予想しない事態はつきものだ。私たちの乗るEPCOTIAライナーはブラックホールに突入してしまう。これはなかなか経験できないことらしい。歴史的瞬間、だと機長が言っていた。しかしいつまでもここに居続けるわけにはいかない。どうやって脱出しようか。異星人たちがここを脱出できる方法を知っているという。異星人たちの指示に従い、一緒に歌ったりリズムをとったりする私たち。そしてついにブラックホールから脱出することが出来た。カイ、コタ、ボンセン*7教えてくれてありがとう!

 

 

"やっぱ 僕らファンタスティック!"
NEWSはとても人間味溢れるアイドルだ。しかし、一方でとてもファンタスティックで空想的でもある。この2つは共存し得ないように思えるが、それが共存してしまうのがNEWSだ。
"やっぱ 僕らファンタスティック!"
加藤さんが全力でこう叫ぶ姿が見れて嬉しかった。私は彼らの持つこの2面の共存が好きでその人間味もファンタスティック性も愛している。2018年、私が今まで見てきた、愛してきたそのファンタスティック性は目の前で凄惨に音を立てて崩れていった。私が今まで愛していたあのファンタスティック性は何だったのか。あれは幻だったのか。もう彼らを私の大好きな姿,形で見られなくなってしまうかもしれない。果たして彼らに"これから"は存在するのか。怖かった。どうしようもなく、怖かった。6月7日、急に目の前が真っ暗になった。これまでも何もなかったかと言えばそんなことはないのだけれど、今回ばかりは事の大きさが違う。誰かが流したデマかもしれない、正式に報道されるまではそう言い聞かせて何とか自分を落ち着かせるのに必死だった。けれど報道が出てしまった。涙が止まらない。なんで自分がこんなに泣いているのかすら分からない。ただ怖かった。私は彼らのしたことをこれからもきっと完全には許せないのだろう。でも同時にどうしようもなく彼らのことが大好きで大好きで仕方ないのだ。加藤さんは叫び続けてくれた。何万人ものファンが埋め尽くす空間で。加藤さんは、そしてNEWSは自分たちがファンタスティックであることを諦めていない。どんな酷い世の悪意にさらされても何回も転んで泥まみれになってもそれでも必死で全力で這いつくばってでも守ろうとし続けてくれている。傍から見ればかっこ悪く映るかもしれない。でも私はそうまでしてもそこに居続けててくれる彼らが大好きだ。彼らが守り続けてくれている限り私も信じていたいと思う。彼らの持つその幻のような甘く儚くも頑ななファンタスティック性を。

 

"Happy Ending is waiting"
この楽しかった宇宙旅行も間もなく終了だ。私たちの青く輝く故郷、プラネット01・地球はもうそこに見えている。
"Happy Ending"
NEWSはそう繰り返す。多幸感溢れる表情で、希望ある声色で。
"幸せはいつも君のそばに…"
この旅はここでおしまいだが、幸せな終わりはこの先に待っている。幸せというものは気がついていないだけで本当はいつだって私たちのそばにあるのかもしれない。そしてその幸せはここでは終わらない。私たちの向かう先にはきっともっともっと幸せな結末が待っている。

 

"さあ行こう 立ち向かえ希望へ"
NEWSの23rdシングル「BLUE」は6月27日にリリースされた。前述した目の前が真っ暗になった日のわずか20日後だ。このシングルのリリースはあの頃の私たちファンの、そしてNEWSにとっての希望の光だったんじゃないかと思う。このCDのリリースが決まったのはもちろんそれ以前なのだけれど、無事リリースされたこと、シングルチャートで1位を勝ち取ったことは間違いなくNEWSの"これから”への希望だった。彼らの言い方を借りれば、この曲は手越さんがNEWSに還元した曲だ。彼はNEWSの"これから"を明るく切り開く光を持っている。手越さんの強さが好きだ。それは彼自身が元来持っていたもの以上に彼の優しさによるものが大きいと思う。これからもその優しさでNEWSの進む道を照らし続けていてほしい。まだまだあなたたち4人とたくさんの夢を見続けていたいから。

 

 

 

 

 ライブについて文章に残したのは今回が初めてだ。TWINKLE STARの手越さんが天使みたいに可愛かったとか、EROTICAの小山さんがすごく妖艶だったとか、宇宙遊泳する増田さんが向きたい方向に頑張って向こうとして身体ブンブンしてたのが可愛かったとか、31歳の加藤さんが魅せた時を超えたカカオはシゲが過ぎるぜ*8とか、他にもここには書ききれなかったことが山のようにある。毎年年越しの瞬間は自宅にいる私にとって、こんなに楽しい年越しは初めてだった。最高の宇宙旅行を、宇宙デートをありがとう!大好きだよ!!!!

今回この記事を書くにあたり、綴さん(@penguincawaii) のお題をお借りしました。素敵なお題のご提供ありがとうございます。

"NEVERLAND"、"EPCOTIA"に続くファンタジックで壮大なアルバム・プロジェクト第3弾は"WORLDISTA"。次はどんな世界に連れて行ってくれるのかな~!

*1:NEWS(殊に手越さん)はライブのことをデートと言ってくれる。こちらとしてもその認識だ。

*2:私たちが乗る宇宙ロケットの名前。

*3:EPCOTIA及びEPCOTIA-ENCORE-のペンライトのこと。その形から私はそう呼んでいる。

*4:フジテレビ「連続ドキュメンタリー『RIDE ON TIME~時が奏でるリアルストーリー~』2019年1月25日放送回での発言。

*5:アリーナツアー「EPCOTIA」のパンフレットより。こんな細部までしっかり作りこまれている。好き。

*6:フジテレビ「連続ドキュメンタリー『RIDE ON TIME~時が奏でるリアルストーリー~』2019年1月25日放送回より。

*7:主要3異星人たちの名前。今回「EPCOTIA-ENCORE-」では彼らのぬいぐるみがグッズとして販売された。可愛い。

*8:FMヨコハマ「SORASHIGE BOOK」2019年1月27日放送回での表現。